雪の深い冬の間、私たちが雪室じゃがいもと共にお届けするのは、津軽の伝統野菜、豆もやしです。30cmに及ぶ長さとシャキシャキとした食感が特徴的な味わい深い野菜です。
豆もやしは昔、津軽の冬の食卓を当たり前に彩っていました。しかしそれが、今の安価な緑豆もやしに取って代わられるまで、要した時間はわずかなものだったと聞いています。時代に忘れ去られつつあるこのもやしに、もう一度スポットを当てる事は出来ないだろうか? そんな想いから、この豆もやしプロジェクトは始まりました。
2013年、スタッフの山﨑が中心となり、試験栽培が始まりました。
何十種類もの豆を試し、風味、食感、形状、栄養価、扱いやすさ、様々な観点から選定を行った結果、たどり着いたのは「黒千石」という大豆でした。
その栽培の難しさから1970年以降作付が途絶え、「幻の豆」と呼ばれた黒千石大豆。その再生は2001年、その原種が見つかり、28粒の豆の発芽に成功した所から始まったそうです。黒千石大豆復活にご尽力された方々の情熱と惜しみない努力には同じ農業者として頭が下がる想いです。黒千石大豆に関する詳細にご興味のある方は右の写真をクリックしてみて下さい。私たちが種を購入させて頂いている黒千石事業協同組合のページにリンクしています。
現在、熱源としては、自噴する温水をパイプでビニールハウス内に引き込んで利用しています。 以前は、電熱線で地温を上昇させて栽培していたのですが、2017年、当時のハウスが爆弾低気圧による突風で倒壊してしまいました。場所の移動を余儀なくされた結果、偶然出会えたのがこの温水だったのです。
ハウスの倒壊自体は痛恨の出来事でありましたが、その代償として、たくさんの人の温かさに出会う事が出来ました。レタスの苗を譲ってくれた野菜くらぶの仲間たち、快くハウスを貸して下さった地元の建設業者様。本当に感謝しかありません。
この温水の温度は22度。年間を通して一定に保たれ、もやし栽培には最適でした。栽培のスタイルにも改善を重ね、スタッフの熱意と努力も相まって、品質は大きく向上する事となったのです。
このもやしがいつか、地域の元気に繋がれる日を夢見て、これからも取り組んでいくつもりです。
現在青森県内で、黒千石もやしを販売しているお店は、黒石市こけし館向かいの旧伊藤商店様とこみせ通りにある、松の湯交流館、こみせ駅、弘前ヒロロ内フォーレ様と青森ラビナ マルシェアサムボン様です。お近くにお越しの際は、よろしくお願い致します。
色々な飲食店様で豆もやしメニューを提供して頂いてます。